友人が以前から「絶対いい!」と言っていた映画「下妻物語」を、自宅のDVDで娘たちと見た。
深田恭子のゴスロリ姿は絶対見たいし、栃木方面から帰るときに通る下妻がどう描かれているのかも気になる。暴力や暴言や偏見に満ちた映画が多い中で、フェミニストの親友が惚れ込んだ作品は見ておきたい。そんな理由もあったけど、この夏に娘たちと約束していた「映画4本」が果たせなくて、ビデオでがまんしてもらったという経緯もある。ずっと見ようと思いつつ保留にしていたので、楽しみだった。
深田恭子もいいけど、土屋アンナが好きだな~。深田恭子の価値観は何となくわかるのだが、土屋アンナの価値観はどうにもわからない。わからないのに、なんだかすごい愛を感じる。私には価値がなさそうで共感できない様々なことに彼女はこだわる。でも私にはその価値がわからない。わからないのに、だんだん大事な気がしてくる…。
ストーリーの展開は本当にバカバカしいのだけれど、細部の語りがとてもいい(と思う)。私としては、二人の間に「刺繍」というキーワードがあるのも、なかなか気になるところだった。価値がわからない人には絶対に縁のない刺繍。深田恭子演じる桃子が「刺繍」なのはわかりやすいけれど、土屋アンナ演じるイチゴの場合、ヤンキー刺繍だったので爆笑してしまった。そうだ・・・確かにあれも刺繍だった。
そう考えると、「刺繍」って結構価値を共有されているのかもしれないなあーと改めて思ったのである。うん、盲点だった。
娘たちの反応は上々だ。はじめは奇異なものを見るようなまなざしだったのだが、だんだん笑ったりするようになった。素直に笑えるらしい。二人の主人公の関係にも興味津々だった。見終わって「すごい!!おもしろーい!!」と絶賛。
数日後、栃木方面から下妻を通って家に帰る途中、以前から私が気にしていた「貴族の森」を次女が発見。そうそう、映画の中に出てくる店だ。一体何の店だろう・・・と今まで不思議に思っていたのだ。栃木から水海道の方へひたすら車で走ると、何件か見えるのでチェーン店だろうとは思っていたが、店の作りやネーミングでちょっと入る気がしなかった。
「貴族の森」を見つけた次女は、「絶対にお昼ご飯を食べるーーー!」
ちょうど昼時だったので、下妻の「貴族の森」へ。
別に普通の(あ、でもちょっと普通じゃないかも)ファミレスだった。あ、でも、ちょっとニンニクと香辛料がきつかったかも。
というわけで、夏休みに見た映画より、すっかり「下妻物語」が気に入って、二人の娘たちはご満悦。自分だけ「貴族の森」へ行けなくて、長女は少しすねているので、次回はきっと一緒に行くことになるでしょう・・・。